※基本ネタバレあり
2023/9 コープスブライド
エミリーが最初に墓から出てきたとき、ヴィクターは絶叫して逃げるけど、
正直生きてる人間も全員見た目不気味なのでゾンビ(?)のインパクト薄いなーという感じです。
ヴィクターとヴィクトリアが上手くいかなそうだったり、或いはヴィクトリアの性格が悪かったりしたら、渡りに船でエミリーと死者婚まっしぐらなのに。。
むしろ真逆だから、どうするんだこれ??このままじゃヴィクトリアがかわいそうだけどエミリーも悪気は無いし無下に断るのはストーリー的になしだよね。
って途中まで思っていました。
そしたらまあ、、!なんというエミリーの男気(?)!
カッコいいエミリー(;;)
ちょっと急すぎる気はするけど
暗闇で骸骨が自分の体を演奏するシーンがスタイリッシュでした(小並感)
2023/9 運命の回り道
寒々しい異国で難民申請を待つ人々の日常という過酷な題材ながら、俯瞰した視点とドライなユーモア(めっちゃ面白い)で悲劇を回避している類まれな名作。
というのが最初の40分くらいまでで、それ以降一気にシリアスに暗くなります。
えっ…さっきまでのは何だったん…違う作品始まった?って思うくらい
とはいえ、主人公オマールの兄との(想像)対話、オーロラを見たことを機に、結末に向かってまた好転していくのは救い。
何だか、この世は本当に割り切れないことばかりで正解も何もわからないな。というように感じました。オマールは本当は祖国を出たくなかったけど、生きるためどうにかシリアを離れてヨーロッパに逃げ延びた。それだけでも大変だったはず。なのに大変な思いまでして難民になったことが正しかったのか分からない。残って兄と共に祖国のために戦っていたら…
当たり前といえば当たり前だけど、むしろそっち(曖昧さ、カオス)が本体で、二元的に捉えられたり人間が何かを決められると思っていることの方が幻みたいなもの
日本神話の国生み伝説では、日本ができる前、イザナギとイザナミが高天原から見下ろした下界は海水に油が浮いているようなドロドロの混沌だったそうです。
そこに天の沼矛という矛を降ろしてかき混ぜると、矛から滴り落ちる潮から島ができた。
これって、混沌の中から神様が島を作ったという話ではなくて、本当は今も昔もただ混沌だけが存在していて、人間が言葉を手に入れてそれによって二元的な概念が作り出されて、その幻の中で人間は無理やり正解や間違いを決めたり何かを選択し続けるというゲームをずっとやっている。というそういう話なんじゃないか…
みたいなことを思いました。舞台はスコットランドだし主人公はシリア出身だし日本神話とかなんも関係ないですけどね。
難民たちの居住する建物の前のバス停(?)の風景とか、建物の外壁を背にオマールが椅子に座るシーンだったり、色彩や構図も見事でとにかく絵になる美しいカットが沢山あって惚れ惚れしました。
ネトフリで9月29まで配信中です。
https://www.netflix.com/jp/title/81427886