歩きで峠を攻める

pixivで11年間二次創作やってます。映画・ドラマ・アニメの感想とか、その他雑記。時々イラスト

配信終了サルベージ記録 Vol.31

※基本ネタバレあり

 

 

2023/4 ルーム

 

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特殊な設定のサイコホラーかと思いきや、シンプルに誘拐監禁された女性とそこで生まれ育った子の話。そして脱出がゴールではなく、半分はその先にあるリアルな生活の話。

 

保護されたジャックを担当した女性警官がぐう優秀でしたね。「三回目ゆっくりになったときに飛び降りた」証言から一時停止の標識三つ分と判断して地域を割り出し、周辺の天窓のある納屋を探し出してあっという間に犯人を特定

 

ジャックは自分の髪の毛にパワーがあると信じて髪を伸ばしてるけど、元ネタの旧約聖書のサムソンは髪を切られて目を抉られたんだよね…ドキドキ

が、そういった残酷描写は特になく、髪は切るけど自分の意志で入院中の母親にパワーをあげるという平和的理由でよかった。強いてこじつけ的に言えば、納屋の外に出たことがなかったジャックには外の世界の光は眩しかったくらい。

 

グランマがきれいな人だった。

 

2023/5 幸せは、ここにある

 

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人と人との関係は本来名前を付けられるものではなく、その人だけのオリジナルの関係。という言葉があります。エマとチャーリーの関係もまさにそう。

 

正直アメリカのテレビのコメディって面白いの?日本みたいな芸人のシステムもなさそうだし、野沢直子もニューヨーク行ってアメリカ面白くないって言ってたし、、

が、めちゃシングルネタとかはめちゃ笑いましたね。本当はあんま笑えないタイプのネタなのに。。笑いながらふと我に返って笑顔が消えたりする俳優の演技も見事で笑ってしまったw でもやっぱセンシティブですよあれは、白人が黒塗りして黒人を演じるのと同じくらいセンシティブなはずです。非モテはマイノリティ認定されないのでポリコレの枠には入らないだけで…

 

チャーリーの認知症が進行していく過程を見せた彼とエマの掛け合いが巧みでした。

「ワンタンスープを買ってきて、頭を洗いたいんだ」といつものようにジョークをかました直後に「今度出かけよう、蠟人形館の経験はある?」と流れるように言うから、最初はそれも冗談だと思うエマ。数舜の間とチャーリーの真剣な表情で「一緒に蠟人形に行ったことを本当に忘れている」ことに気づく。このほんの数秒の流れがとてもさりげなくて、わかりやすいように大袈裟に演じられることもなく、だからこそむしろ重石のような印象を残していきます。

医師にもって一年と宣告されたチャーリーが「ユーモアを奪われるくらいなら今すぐ死ぬ!」と叫んだ台詞に一番打たれました。「作家なのは生まれつきだ」と言っていたように、コメディ作家としての人生も、息をするように人を笑わせるのも全部チャーリーの命そのもの。

深刻になるべき場面で冗談を言うことこそが彼にとって真剣な生き様、というのがまさしくチャーリーのオリジナルで、それを理解できるエマとの関係の「唯一無二さ」に繋がってるのかな。

 

最後の30分くらいはずっとボロ泣きでした。本当に涙腺バグりまくりです…

そこで流れる音楽も控えめながら優しくて死ぬほど涙を誘う。。主旋律クラリネット思い出のマーニーを彷彿します。

そういえば思い出のマーニーって、来年公開10周年なんですよ。なんということだ。記念イラスト描かなきゃ。大好きなんです、思い出のマーニー

 

2023/5 千年女優

 

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同じ人格で千年転生を繰り返す話なのか、映画で演じたただの役なのか、ちょっと混乱するけど、そこは今敏作品なのであまり考えなくていいのでしょう。

 

この時代の銀幕女優といえば、私は倍賞千恵子が浮かびます。私の憧れの人で(若い頃のではなく最近の彼女がね)いつか倍賞千恵子のようなおばあさんになりたいと思っています。映画「小さいおうち」に出演した彼女は、妖精のような透明感を纏って見えました。(原作小説を先に読んだから、そのタキさんのイメージにしてはきれいすぎて全然違うなと思ったけど。。)

 

脱線しましたが、千年女優のことをやたら文章で評するのはなんか野暮かなと思ってしまって(今敏平沢進に恐縮してしまうサブカル共通認識はなんとなく持っている)

 

まあ、あれですね、鍵の君は再会できなかったからこそ最大限にまで神格化されるけど、実際付き合ってしまえば多分なんてことはないわりと普通の人なんでしょうね。